うさぎは6匹のなかの4んばんめにうまれた
面倒見のいいうさぎ
その日もうさぎは庭先の大根を洗っていた
よだれをたらしつつ 根っこをたわしでごしごしごしごし
大根のやま レタスや水菜や白菜ではない
食べたい気持ちがあふれては
リヤカーにつんで 川の橋をこえて町なかにさばきにいくんだ
そうすればもっとあまい葉っぱと取り替えさ
そいえば 近所のねこやいたちはあのうるさいにわとりをごちそうのようにしているな
そんなにうまいのか いちどこっそりためしてみようかな
ある日うさぎはにわとりより早起きして あみをあけ
ねしずまっている小さいにわとりをうしろからだきかかえようとした
それに気づいた親鳥たちがおおさわぎをはじめていっせいに「コケコッコー!」
くちばしでにわとりがこうげきをしはじめた
かわいそうなうさぎ
ぜんしんつつかれて あかうさぎになってしまった
うさぎの教訓 くちばしのとがったとりには近づかない

それから大きくなったうさぎはくちばしのまるい鴨をかうことになった
鴨が若いうちにはハクサイを毎日まいにち与え 水場もつくってせっせと世話をした
世話をするとなぜかきもちがなえてくる
月日がたって鴨は はくさいを食べ残すようになった
だからやわらかいレタスをきざんであげた
まいちにまいにちみじんぎりレタス
レタスざんまい
しんせんなレタスと水と水場のおそうじ
うさぎはおもった いつたべようかな
たまごはおいしいかな
メスの鴨をつれてきて たまごたまご
だけど どうにも仲がわるい
もう一羽メスをいれてっと
ますます険悪になった
そのうち一羽づつ消えて行った
小屋がやぶられ 茶色い毛があたりにのこされた
でもたまごもあきらめられない
もう一羽だけね そしたらしばらくしてみごとなたまごをうんだ
月見うさぎにしようかな いやいや 月見鴨
そのまえに試食してもらおう

そうやって20年がすぎた
養殖鴨 はちまたに病気が流行って捨てられることになった
それからうさぎは仲間と水遊びをしている群れの鴨の一羽が
ちらとこちらをみたのをみたんだと
さて 飼われていたのは どっちだ

遊びをせんとや 生まれけん
鳥羽僧正

                              • -

(高度なものは無理ですからっ、ね。)