授業_絵箱をつくろう(6才7才8才児)

●内容 1年のまとめの授業_立体工作から平面絵画へ_1回目
箱を使って空間を意識しながら主に箱の内側に、絵柄、絵図を描こう、仕掛けをつくろう_例えば「サーカス」「水族館」「星座群」「宝箱」「鳥小屋」「夢」など自由
●道具 空き箱、色画用紙、カラースプレー、絵具セット、油性・水性マーカー、鉛筆、カッターナイフ、ハサミ、ボンド、スプレーのり、両面テープ、定規、CDケース、針金、スポンジウレタン、プラスチック折り紙、厚紙、ホチキス、紙粘土、雑誌の切り抜き、いらない小物
●科学 木火土金水_光の木土金_光、空間を絵画空間に近づけてとらえる
○参考図書 URL
・『アトラス通信No.21_メタ・箱論をいまー箱について考えることを考える』アトラス企画室 発行 1998年3月
ジョゼフ・コーネルの箱をウェブで体験する
http://sukimau.com/articles/art-design/903.html
・ドナルド・ジャッド 
静岡県立美術館
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/collection/item/S_77_1047_J.html
野々村文宏
http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/artscape/topics/9903/nonomura/nonomura.html
滋賀県立美術館
http://www.shiga-irc.go.jp/shiga/kinbi/1999/may/index.html
・スポンジウレタンのバレッタ
http://bali.cside.tv/plumeriabarrette.htm
・ウレタン、スポンジ
http://homepage.mac.com/aranobi/
○備考
・スポンジウレタンは知人の内職の余りを頂いたもの。
・『アトラス通信』にあったATLAS教材No.42「絵箱」の高校生の授業の例では、箱の「身」と「蓋」、「箱」と「蓋」の関係を、1意味と意味、2抽象的なパターンの相似、3(身と蓋が)分離したような表現 として捉えていたとあった。2の抽象的な思考はさすがに難しい(本人たちが面白いと思わない)ので、1の意味と意味、3の分離したような表現(「コーネルの箱」)を目指した。
・カラースプレーは室外で使用する。
○分かったこと、気づき 
・6才児は迷わず箱をL字に組んで「動物園(サバンナ)」を作った。底面中央には大きな池。厚紙で木を作って立ててあげると喜ぶ。小物の動物たちを幾つも配置した。水場にふさわしい生き物、食事中の猛獣類など分類もされていた。背景には青空と太陽。
・7才児は箱をL字に組んだ後、底面を重視するか立てた背景となる側面を重視するか迷う。切れ目の問題を解消するのに色画用紙で隠すことにした。背景と前に出た底面との関係は、背景は背景に、底面は底面に引きずられていた。両面をなんとか関連付けようとし、キャラクターを背景から引き剥がして立てたり、背景に溶け込んだ花をスポンジウレタンでつくり立体化させようとしていた。こちらも背景には青空と太陽、それに雲。
・8才児は箱の組み方にも工夫があった。背景からボリューム感を出すのに工夫したり、材料も触りながら自分のイメージに引きつけて利用した。背景には稲妻。また別の生徒さんは数回やってみて失敗し、迷った挙句ゲームに見立てて箱の底にレース場を描き、蓋を天井に見立てて、照明のイメージでシルバーのカラースプレーを吹き掛けたりした。体育館のように箱はクローズされた。
・制作過程では、同席した者同士、お互い影響をしあう。
・時間が短いので「夏休みの工作」のような完成度はないが、箱を数個組み立てる積み木のような方法(ロボット、家など)とはまた違った取り組みができる。授業としてはむしろ多様すぎて絞り込んだ方が良かったのかもしれない。