うるおぼえの確認

迷ったら原点、ということで思い出したので並記。

・『経済学・哲学草稿』マルクス 著 城塚登 田中吉六 訳 岩波書店 1982年 第21刷
第三草稿 四 貨幣

人間を人間として、また世界にたいする人間の関係を人間的な関係として前提してみたまえ。そうすると、君は愛をただ愛とだけ、信頼をただ信頼とだけ、その他同様に交換できるのだ。君が芸術を楽しみたいと欲するなら、君は芸術的素養をつんだ人間でなければならない。君が他の人間に感化をおよぼしたいと欲するなら、君は実際に他の人間を励まし前進させるような態度で彼らに働きかける人間でなければならない。人間にたいするーーまた自然にたいするーー君のあらゆる態度は、君の現実的な個性的な生命のある特定の発現、しかも君の意志の対象に相応しているその発現でなければならない。(後略)

・『マルクス エンゲルス 文学・芸術論』マルクス エンゲルス 著 マルクスレーニン主義研究所 訳
国民文庫20 大月書店 1983年 第35刷
2 資本主義社会における芸術 
あらゆるものを革命化する貨幣の力

人間としての人間を、そして人間的なものとしての世界にたいする彼の関係を前提とせよ。そうすれば、君は、愛は愛とだけ、信頼は信頼とだけ交換することができる。もしも、君が芸術を享受したいと思うなら、君は芸術的素養をもった人間でなければならない。もしも、君が他人に感化をおよぼしたいと思うなら、君は実際に他人を刺激しふるいたたせる人間でなければならない。君の人間にたいするーーおよび自然にたいするーーすべての関係は、君の現実の個人的生命が、君の意志の対象に応じて、特定の仕方で発見したものでなければならない。(後略)
マルクス『経済学・哲学手稿』(1844年)[選集補巻4 385-93ページ])

訳文のニュアンスの違いと、自然にたいする、自己と他者との距離を感じる。
自然を、「人に作られてある」とするのか「神に創られてある」とするのか、
「同化している」の後で「作られていた」と気づくひとつの運動なのか。
自己を、他者を、同様にどう見るのか。
〜こんなことしてる場合ですか〜と、家計簿がささやく。